| '07/01/28 THE HORNETS'80Web |
| H'80Webブックレビュー (1997〜2000) |
[書籍] ●兵頭精、空を飛びます!
日本初の女性パイロットの物語
中村 英利子・著 アトラス出版 税別1,600円 ドラマ「雲のじゅうたん」のモデルの一人でもあり、大正11年3月に日本人女性初の航空免許を取得した正真正銘の第一号、兵頭精(ただし)さんの伝記小説です。愛媛・宇和島に生まれ、たまたま知った父の遺志を継いで空を目指した女性のドラマチックな生涯が描かれています。二宮忠八に始まり、奈良原三次、白戸栄之助、伊藤音次郎から中島知久平まで日本航空黎明期のそうそうたる名前が登場し、それどころか、あの後藤勇吉を教官として主人公が飛行訓練をするくだりはヒコーキファンなら思わず熱くなります。 少女時代の夢を、持ち前の勇気と負けじ魂、家族や周りの支えでついに実現した兵頭精ですが、運命の渦に巻き込まれ、歴史からも忘れられた存在になっていきます。 「日本の航空事始め」の入門編としても読める、読みやすい作品です。 |
[雑誌] ●世界の傑作機No.85 スホーイSu-7/17フィッター
文林堂 税別829円
11月末発売の、世界の傑作機シリーズNo.85である。開発経過、各型解説、技術的特徴(本機の場合は主翼)についての解説、写真、塗装図などから構成されている。いつも通りと言えばまさにそのとおりだが、ページをめくると写真の多さ、その鮮やかさに目を奪われる。(旧)ソ連機の写真と言えば、テレビ画面のキャプチャーのような画質の悪い写真か修整のうえ公式発表された白黒写真をだった頃を思えば、まさに隔世の感がある。写真の出典はほぼYefimGordon Archiveとなっている。旧ソ連系の出典なのだろうが、そんなものが手に入るとは、よい時代になったものだ。そう言えば、この「新版」世界の傑作機シリーズで(旧)ソ連機が取り上げられるのは、今年の5月末に発行のMiG-25以来2機目である。 ただし、フィッターが本当に傑作機か否かはよくわからない。技術的には主翼半ばにピボットを置いた可変後退翼機へと発展した、チャレンジングな機体であろうが、日本人にとってはシドラ湾上空でF-14に完敗した機というイメージが強いのではないだろうか。 |
[書籍] ●ボーイング747を創った男たち ワイドボディの奇跡
クライヴ・アーヴィング・著 手島尚・訳 講談社 税別2,200円
タイトルから分かるように、ボーイング747誕生のノンフィクションストーリーです。とはいうものの、ヒコーキ好きでなくとも十二分に楽しめる、夢を追い、夢を手にした人々のドキュメントでもあります。本書のような多くの人手がかかった誕生秘話のようなものは、ともすれば、人々があまりに入り乱れすぎてわけがわからなくなることもあるのですが、テンポの良い場面転換と切りの良い章立てのおかげで、開発の流れや人物関係が比較的つかみやすい構成となっています。 客室の上に膨らんだコックピット、500人以上の旅客を運ぶ胴体、鋭く細い後退翼と4発の巨大なエンジン…。今となっては見なれた当たり前のフォルムや機能が、当時としては実現不可能にさえ思えるくらいの難行であり、いかに計算し尽くされたものであるかよく分かります。旅客機に興味がなかった私にとって、どのエピソードも新鮮な内容でしたが、特に、これだけの優秀な機体が、当初はSSTへのつなぎ役としてしか見られていなかったという話には驚かされました。 技術者達の、後退翼やダッチロールとの苦闘、ボーイング社経営陣と、軍、政府、DCシリーズを要して立ちはだかったダグラス社や、今はなきパートナー・パンナム航空の飽くなき要求との戦い、そして、会社の未来を巡る技術者と経営陣とのせめぎあいも見逃せません。 航空の新しい歴史を拓いた747の開発成功は、「ボーイング社の」というよりも「人類の偉業」と言えるかもしれません。 航空史、いや技術史に残る名機、747の誕生秘話です。ドイツの残したジェットエンジンや後退翼などの最新技術が爆発した、60年代のエンジニアたちの奮闘が生々しく伝えられています。
試行錯誤の時代とコンピュータによる設計の狭間にあって、想像を絶する巨大旅客機を作り上げたひと癖もふた癖もあるエンジニア、経営陣、テストパイロット、航空会社。時代の熱気に包まれた魅力的な強者たちが、それぞれの立場で錯綜しながら、まるで予定調和のようにジャンボ・ジェットを生み出していきます。 残念なのは、訳者前書きにもあるように、本来は747のみならず727、737、757〜777などボーイング兄弟の各機種について語られている原著の、かなり割愛された邦訳であることです。訳自体も非常に読みやすいため、なおさらもったいないところ。 とはいえ、飛行機ファンにとっても、707をバレルロールさせた男テックス・ジョンストンの話や、ボーイングvsダグラスの確執、航空産業を牛耳ったパンナムの力など、興味深いエピソードが続出。なぜ707はユナイテッド用だけ720なのか?747をパリ航空ショーに出展した危険なギャンブルとは? とにかく楽しい一冊です。 '70/1/22の747パンナム初便に対する「ニューヨーク・タイムズ」の論評が心に残ります。 「B747は多くの人々に、地球の裏側に住んでいる人たちも自分の隣人たちと同じなのだと認識できる機会を与えてくれるだろう」 |
[雑誌] ●「Blue Impulse ブルーインパルス40年間の沿革とT-4BIの5年間の歩み」
エアワールド2001年1月号別冊
エアワールド社 1500円(税込み) ブルーインパルスの事故のため、出版すべきか否かを迷った末、敢えて出版することにした(と本誌上に書かれていた)ブルーインパルスの写真集。看板に偽りありの本である。「ブルーインパルス40年間の沿革」なんて書かれていない。全100ページの本の中に、32ページほどがF-86時代からの事に割かれているのみ。そのうち8ページはT-4時代の話だ。写真ページが各4ページ、塗装図や在籍パイロット表があるのみ。「T-4BIの5年間の歩み」ではあっても、「40年間の沿革」ではない。70年代の創刊という、本誌の蓄積を全く生かしていないといえよう。 体裁が大判であることを生かし、写真には迫力がある。空撮を使ったり、地上での写真を使ったりと工夫もされているが、どこかで見たことあるような写真集になっている。ブルーインパルスの写真を中心にした本がたくさん出版されている昨今の状況を考えるなら、独特の視点というのはもはや難しいのかもしれない。 もう一つ残念ながら、我々が会誌やこのページで主張してきた、ページを跨いだ「見開き写真」をやめようという主張は取り入れられてはいないようだ。 【00/12/09 嶋崎宏司・★★】
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[書籍] ●ロケットボーイズ (上/下)
ホーマー・ヒッカム・ジュニア・著 武者圭子・訳 草思社 税別各1,800円
炭坑の町、ウェストバージニア州コールウッドに生まれた著者が、1957年の「スプートニク・ショック」で目覚めたロケットの魅力に高校生時代を燃やす、素晴らしい青春記ノンフィクションです。映画『遠い空の向こうに OCTOBER SKY』の原作書で、映画と合わせて読むと、感動も倍増! 炭坑の責任者でもある厳格な父と、進歩的な思想を持つ母、無理解な学校と戦ってくれる若き女教師、もちろん「ロケットボーイズ」 の個性溢れる仲間たち、そして古き良き時代のコミュニティの人たち。たくさんの人間とある時は対立し、ある時は励まされながら、夢を実現していく過程は、まさに「小説より奇なり」で、読みながら思わず応援してしまいます。 親子、家庭、学校、社会、そしてもちろん科学と、さまざまなテーマが見事にからんで、夢に向かって突き進む人生の素晴らしさを伝えてくれると思います。 誰にでもお薦めしたくなる、とてもいい気分になれる作品です。 巻末には、筆者のNASAでの友人(をっと、ちょっとネタばれか;)だったという、 日本人宇宙飛行士・土井隆雄氏のコメントも掲載されています。 ⇒放熱C&V映画評『遠い空の向こうに』 |
[書籍] ●ロッキードP-38ライトニング
エアロ・ディテール28 アートボックス編 大日本絵画 2,600円
先日、大日本絵画のエアロ・ディテールの28号としてロッキードP-38ライトニングが出ましたね。値段もそれ相応のものですし、私は現在プラ模型を作れる環境にはないのですが、航空ファンを止めていた時もP-38の不思議な魅力がいつも気になっていた私は(70年代の後半に出た『航空情報』の別冊のヒコーキ映画に関する本の中のインタビューでプレーンズ・オブ・フェイムの館長が「P-38はコックピットが広々としているし操縦がとてもなめらかなんだ」と言っていたのを覚えています)、この本の表紙の絵のかっこ良さに魅惑され、日本ではP-38に関する単行本などたまにしか出ないのだからと自分を納得させて買ってしまいました。中を見て初めて知ったのですが、実はP-38の直前に旅客機のコンステレーションの開発が行われていて、P-38の主翼はそれをほぼそのままスケールダウンしたものなのですね。小学校5年か6年の時友人の持っていた『航空ファン』誌がP-38の各型式の写真を紹介していたのを借りて見せてもらったこととか、モノグラムの48モデルにあこがれていたことなどを思い出しました。 私も出来ればプラモデル作りを再開し、その第一号としてこの本を参考にしながらハセガワの48のライトニングを作りたいなどと思っています。(無謀ですけれども…) |
[書籍] ●田宮模型の仕事
田宮俊作・著 文藝春秋 文春文庫 524円
TAMIYAの物作りの心「模型が好き」という心が伝わってくる一冊です。私は、飛行機を見ているだけでは分からないところを全て「プラモ」に教えてもらったような気がします。ランディングギアの細部や、色を乗せるときに気をつけるアンテナ類、特にトムキャットの翼などは、動かしてみて、その機構に感心しました。 憧れの飛行機を自分の手で組み立て、手のひらに乗せる瞬間が好きです。そんな作り手の気持ちをTAMIYAは考えていてくれたんだ、と思えます。 「プラウラーとイントルーダーの区別がつかない!」と言ってた私は、「なら、プラモを作ってみれば良いじゃん」と答えが出ました。 作ってみるかという気になる本です。 すいません。書評ではなくなりましたね。読んでみてください。 |
[書籍] ●名機100 (増補改訂版)
別冊航空情報 酣燈社 2,381円
まもなく100年になろうとしている航空史。本書は、そこに登場した、多くの人が「名機」と認めるであろう機体を選抜して紹介する「航空史を作った名機100」の"1999年バージョン"です。今回は、前回の改訂時に入れ替えられた19機種を復活させ、古今東西の119機が掲載されています。100という数字にこだわらず名機を紹介していくと言うことで、評価できると思います。 最初の版(左写真)は'71年。最新の機種が747やSR-71でした。改訂時にティーン・ファイターやボイジャーなど新しい機体が登場しています。もちろん、人それぞれ「何でこの機種が入っていないんだ」「この機種が名機!?」といういちゃもんはあると思いますが、日本機が比較的多いので、"日本人の選ぶ"という冠をつければ、まずまず客観的な選抜だと思います。当ホームページの「好きなヒコーキ」アンケートと比べてみるのも面白いですね。また、解説のテキストは前の版を踏襲しているので、今は亡き木村秀政、青木日出雄、佐貫亦男各氏の文章が読めるのも興味深いところです。 本書を見ると、航空史は本当に多彩な機種に彩られていることが改めてわかります。1機種2ページでその半分は写真と3面図ですから、各機についての解説はざっとしたものですが、あまり馴染みのない古典機の位置がわかりやすく解説されていますので、航空史入門編としても楽しめると思います。 |
[書籍]●Blue Impulse YEARBOOK 1998 別冊 航空情報 A4版 カラー80ページ
酣燈社 1,500円(税別) この本、今年5月の発行で、今頃書評では少々遅過ぎで申し訳ない。昨年に引き続きイヤーブックである。昨年のイヤーブックの発行が8月で、シーズン途中の発行は妙で、単にネリスでの展示があったから作った本で、イヤーブックというのは本気なのか?ときつい評を下したのだが、今年はちゃんとシーズン当初の発行を果たし、時期的なポイントは押さえてある。 内容的にも、昨年の展示の様子、今年の展示の予定、今年のメンバーと、まさにイヤーブックらしい作りになっている。飛行展示の機動の解説も、昨年版よりもイラストを多用し工夫している。ただし、去年のネリスのような目玉となる出来事がないので、全体としてはあっさりしている。それでも、イヤーブックのような、毎年必ず出版する性質の本にとっては、記事の目玉を追うより、"必ず書かれる事"を固めた上でその年(あるいは前年)のトピックスを"ちょっと"追記する方がスタイル的には好ましいのではないだろうか。そういう観点からすれば、今年のイヤーブックは必要条件をしっかり押さえたベーシックな作りになっていると言えよう。唯一、巻頭の『起承転結』なる記事は邪魔なだけである。 先に、イラストを多用し工夫をした機動解説と書いたが、個人的にはそのイラストの画風が好きじゃない。イラストレーターの起用は難しいなぁ(--; また、昨年版では解説中に"ロール2回"とか"ダイヤモンド隊形"など、下から見てわかる各機の動きが記されていたが、今年版では"A/S〇〇kt"とスピードが記されている。機動状況を書いておいた方がいいように思う。 もう一つ、この手の本は"毎年、必ず"出して欲しいので、収益性に縛られる民間出版ではなく、自衛隊が直接作って欲しいと思う。 (98/08/25)【☆☆☆ 嶋崎宏司】
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[書籍]●ハイテク機はなぜ落ちるか〜コンピュータ化が引き起こす新たな航空機事故 遠藤浩/著
(98/05)講談社ブルーバックスB1214 900円(税別) ブルーバックスの同じ著者による「飛行機はなぜ落ちるか」の続編的な内容。ハイテク機の世代になって、事故が減ってないという統計に注目し、過度のコンピュータライゼーションがかえってマンーマシン系での安全性を損なっているのではないかと論じます。 エアバスとボーイング、すなわち欧州と米国のハイテク機の設計思想の違いや、各地で起こった事故の事例など、興味深い内容をわかりやすく解説しています。これからの自動化はどうあるべきか、システムとパイロットとの関係など、ますます重要となってくる課題だと思います。 特に、現場パイロットと、システム開発者の乖離、緊急状況での自動的なモード変更がパイロットに認識されずに起こる事故の多発など、航空機に限らず、コンピュータ化されたシステム全般に関わる大きな問題で、現場、開発者の立場を総合してシステム化を進めるためのメタ手法の開発が急務だと感じました。 自動化の中では機会に全てを任すことを、また緊急時には超人的な技量を期待される現代パイロットの矛盾を、欧州は自動化側に米国はパイロット側に重きを置いて解こうとしているのが面白いですね。 お薦めです。 |
[書籍]●実践 旅客機で飛ぶMicrosoft FlightSimulator98コース攻略テクニック 田中久也/著
(98/06)ソーテック社 2,400円(税別) 新しいタイプのFS本が出た。 タイトルだけ見ると「FSに攻略本?」とおもうが、この本は最近よく見かけるFSのマニュアル本ではなく、もっと実践的な、いわばツアーガイドなのだ。 MS-FSを購入しても、離陸だけして目視で空港を周回して着陸という楽しみ方でおわるゆーざーが多いのではないか。VORなどの航空標識を使えば他の空港に行けることは理解していても、実際FSが起動したパソコンの前で「さあ飛ぼう」としても、きちんと操作することは難しいものだ。この本では石垣-宮古のように複数の日本路線をもとに、離陸時から着陸に至るまでのナビゲーション技術を丁寧に図解してくれる。 FSをPAUSE機能で停止しながら、この本に従って操作していけば、雲の間からランウエイが見える感動を味わうことができるだろう。お薦めの一冊だ。 http://city.hokkai.or.jp/~hisaya/ (内容の紹介や文中で使った画像などが収録されている (98/06/04)【☆☆☆☆ akituki】
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[書籍]●航空自衛隊メモリアルシリーズNo.4 F-86FSabre 別冊 航空情報
酣燈社 128ページ \2,095(税別) T-33、F-104、F-4と続いたメモリアルシリーズの第4弾としてF-86Fが出版された。 このところたて続けに出版されている別冊がいずれも「ハズシ」だった事を思うと、ずっといい出来である。僕自身が飛行機にのめり込んだのがおよそ20年前で、86はいままさに消えゆこうとしている飛行機であったために郷愁を感じる事、写真や記事も明快な記憶がない事など、新鮮に感じる要素が多いのも確かだが、これまでの長きに渡る蓄積が生きるタイプの本で、最古参の航空情報ならではと言えよう。しかし、かえって現在の航空情報編集部の力に不安を感じさせる結果になっているのではないだろうか。 |
[書籍]●EDWARDS AFB 別冊 航空情報
酣燈社 64ページ \1,200(税別) サブタイトルとして「音速突破50周年記念」と銘打って、表紙写真にBell X-1と、記念式典の際にチャック・イエーガーが登場したF-15(いずれも"GlamorousGlennis")を配しているが、内容的には97年10月14日に行われた記念式典にこだわった本ではない。むしろ、エドワーズ基地祭の様子をレポートした本といったほうがいい。 一応は基地に所在する部隊の紹介をしているが、ページ数の関係もあって実にあっさりしている。そして、そういった短い記事をいくつも繋げるスタイルに、あえて別冊を作る必要があったのか疑問を感じる。 別冊は、本誌では連載やニュース等でページ数に制約があるから作られるのではないのだろうか。それを、こんなふうに細切れの記事でつなぐなら、別冊の意味はない。しかも、内容的にも水増しの64ページだ。 ということで、金を出してまで手に入れるような物ではない。 |
[書籍]●バーチャル・パイロット・バイブル―架空操縦訓練マニュアル 戸塚 有介/小泉 司
(96/05)ビー・エヌ・エヌ 3,883円(税別) パソコンゲームの1カテゴリーとして、フライトシミュレーターは有名だが、一般に手を出す人も多いが、投げ出す人も多い。それは他のゲームのように「買ってすぐに思う存分楽しめる」と言うわけに行かないからだ。フライトシミュレーターがリアルであればあるほど、楽しみも深くなるかわりに最初に必要な知識も多くなる。操縦操作、航空力学、気象等…。また、一方で戦闘型フライトシミュレーターでは、戦闘機や搭載兵器の使い方、また最高度の性能を持った近代戦闘機の操縦操作も知らなければならない。本著の狙いは「この内容さえ身につければ、どんなシミュレーターでも自由自在に飛ばせる」と言う点にある。ソフトごとに現実からの省略度合いは異なるが、「現実のフライト」を基本として理解してしまえば、何かが省略されても対応できる、と言うわけだ。その為、全ての解説は実機の操縦をもとに解説してある。 「こういう場面では、実機ではこう操縦する。理由はこれこれこうである。シミュレーターでは違うかも知れないが、こういう点に気をつけなければいけない」と言った風である。日本では実機操縦の解説を入手することそのものが難しいので、そういう面から見ても価値ある一冊であるといえる。 本著では、「パイロットとして空を飛ぶために必要な基礎知識」から始め、航空力学、基本操縦、ナビゲーション、高度な操縦操作をまず解説する。後半では、戦闘型シミュレーターに視点を移し、戦闘機の運用、戦術、空中戦や地上攻撃のテクニックを解説する。ここでもベースとなるのは全て現実のそれである。 |
[書籍]●使える兵器 使えない兵器(上/下) 江畑謙介
(97/10)並木書房 各1,800円(税別) 湾岸戦争時の解説者としてテレビ出演し一躍有名になった軍事評論家、江畑謙介氏の兵器論。「人が命を託して使う道具」(上巻)、「人間の知恵の限界」(下巻)というサブタイトルで、兵器を"必要悪"として認めた上で、いかに納税者の負担にならないよう装備していくか、古今東西の例(たいがいは悪い例だが…)を挙げながら解説するという内容。 一般向けで平易な文体だが、ちょっと説明が冗長に過ぎる箇所が多く、また曖昧な表現で裏付けがあるのかどうか不明な文章も気になる。しかし、興味深いエピソードが多数紹介されていて、一般向け兵器論としては面白い本だと思う。 自衛隊の装備について非常に辛口で、快刀乱麻。特別に無能な兵器調達者として描かれているのはちょっと酷な気もするが、自衛隊の是非を論ずる前に、現実にいかに必要ない兵器に大金を投じているかを知ることは納税者として重要なことだろう。 |
[書籍]●フライング・カラーズ―小池繁夫航空イラストレーション作品集 小池 繁夫・画/徳永 克彦・文
(97/12)ソニー・マガジンズ 7,200円(税別) 小池繁夫さんの作品集を入手しました。タイトルは、"フライングカラーズ"、7000円で本としては高いほうとおもいます(画集の平均的な金額は知らないのであしからず)。 プラモのBOXアートで有名な人であることは、みんな知ってると思いますが、作品に対しての文章が徳永克彦さんが書いていて、不謹慎なのですが結構その文章の表現がおもしろかったのです(徳永さんの映像作品ならあたりまえのようにみているのですが、まとまった文章ははじめて出会いました)。 しかし小池さんの、細かな所まで書き込んであるレシプロ機は最高にきれいでした。 <収録機: SE5a/ニューポール25C.1/ヘルバースタットCL.4/中島P-1郵便機/グロスターゲームコック1/三菱MC-20/航研機/シコルスキーS42B/他> |
[書籍]●Fighter World 別冊 航空情報・カラー64ページ
酣燈社 1,200円(税別) インターナショナル・エア・タトゥーの紹介本である。サブタイトルが「世界最大の軍用機航空ショー」となっており、97年のショーを中心に注目の参加機やアクロチーム、昨年のテーマだった"アメリカ空軍50周年"などを紹介するスタイルをとっている。 そのほかエアタトゥーについての簡単な質問のページなどをつけているが、ページ数を見てもわかるとおり、サラッと一通り書いただけという 内容。ショーらしい雰囲気が伝わる写真もなく、どうやって行くのかと考えた時に、ツアーの案内が載っているというだけ。言葉は悪いが、1200円捨てたようなものだ。 ただ、個人的には、下田ノブさんのイラストレポートがあり、氏が今は亡き航空ジャーナル誌に連載していた"ノブさんの拝見・体験・奮戦記"(好きだったのだ、この連載)を思い出して微笑ましかった。 |
[書籍]●BlueImpulse YEARBOOK 1997 別冊 航空情報
酣燈社 1,200円(税別) 『YEARBOOK 1997』と銘打たれたA4版64ページの本。中身の1/2はこの春のネリス基地遠征の話題である。今年の最大のイベントだった事を思えば、イヤーブックの半分を占めても許す気にはなるが、シーズン途中でイヤーブックが出るのは納得がいかない。そもそも来年も出す気があるのだろうか。今年たまたま「初の海外展示」という出来事があったから作った別冊にイヤーブックなどとつけたようで気に入らない。 とは言うものの、中身はそんなに捨てたモンでもない。ネリスでの写真もまぁまぁだ。展示科目を図解と写真の併用で解説しているのも、在り来りではあるがいい。機種改編があり、新しい科目も出来たのだから、従来からのファンにとっても便利に違いない。グッズの紹介はまるでイカロス出版みたいだし、ホームページの紹介はいかにも付け足しっぽいが、今年の展示予定(7月以降)もつけて、イヤーブックらしいところも見せている。 でも、これで1,200円と言うのはちょっと高いような気がする。全編コート紙ではあるがカラーページは少ない。先に紹介した「RHAPSODY IN BLUE」が同じく全編コート紙、フルカラー、全154ページで2,600円である事を考えると、割高感は否めない。肝心の写真の出来にしても、「RHAPSODY〜」の徳永には勝てない。 (97/10/09)【嶋崎宏司】
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[CD-ROM]●JASDFDANCING WING ブルーインパルス・データファイル 東芝EMI 5,800円(税別)Win95/Macハイブリッド 『JASDF FIGHTING WINGS 航空自衛隊データファイル』に続く、東芝EMIのJASDFシリーズCD-ROM第2弾。ハチロク・ブルーから、米空軍50周年記念で渡米したT-4ブルーの最新映像まで、B.I.の歴史が詰め込まれた力作です。数ある国産航空CD-ROMの中でも出色の出来だと思います。B.I.ファンならぜひ持っておきたい1枚です。特長は、まず豊富なデータ。歴代の演技課目やペインティング、作戦機との仕様の違い、パイロットなど映像、写真付きで収録されています。演技課目は、CGアニメーションとビデオ映像が用意され、非常にわかりやすいと思います。また、五輪、エキスポ時代からのパイロットへのインタビュー・ビデオなども興味深いところ。 ここまで豊富な内容だと、PC用であることによる画像の小ささや一覧性のなさがかえって気になるくらいです。作り手の気合いが伝わってくるお薦めの作品。(※97/10/29発売予定です。画面と評価はβ版のものです。) (97/10/05) 【☆☆☆☆・Tack】
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[書籍]●最新軍用機図鑑 床井雅美/神保照史
徳間文庫 1,429円(税別) 文庫版の現代の軍用機図鑑。東西184機種の軍用機、軍用ヘリを、写真(約半分がカラー)と解説、スペック、三面図または解剖図で紹介します。巻末には、航空ミサイルの簡単な図鑑も付属しています。 解説は、使用国やタイプの紹介など必要最低限の情報は押さえてあり、マイナーな機種などのちょっとした確認には威力を発揮するでしょう。 文庫としてはちょっと価格が高めですが、高価な年鑑はちょっと買えない、という方にお薦め。 |
[書籍]●RHAPSODY in Blue 撮影/徳永克彦・解説/武田頼政
株式会社スコラ 2,600円(税別) T-4ブルーインパルス・ガイドブックと銘打たれた、A4版の写真集である。撮影の徳永氏はもはや紹介する必要もないトップフォトグラファーだし、解説の武田氏も浜松生まれの元航空ジャーナル編集者で、86ブルーの爆音を子守歌に育ったと自称する人物である。 『Aerobatics』『Men & Women』『Aircraft』『Traning』『Airshow』の5章に分かれ、同乗空撮写真が盛りだくさん。『Men& Women』の章は「Dolphin Rider」と「Dolphin Keeper」にわかれ、パイロットや整備士にインタビューしている。 ところがインタビュー/解説がこれらの写真に完全に負けている。低空でのフォーメーションアクロの危険/恐怖や互いの信頼感、ファンタジックな夢ばかりに言葉を費やしていて、いかにもありきたり。広報担当WAFの小林士長に『パイロットはかっこいいけど危険な職業だから結婚相手としては……』とコメントさせるに至っては、彼女のBIメンバーとしての思いに迫るつもりすらないのではないかと感じさせる。 『よい写真と凡庸な記事からなる写真集』と感じたが、2600円という値段をどう考えるかは難しい。個人的には「ちょっと高いなぁ」というところか。 (97/07/20) 【☆☆☆・嶋崎宏司】
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[書籍]●ヒコーキの心 シリーズ 佐貫亦男・著 (97/07/04) 【☆☆☆☆☆・Tack】
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[書籍]●パソコンで遊ぶ ヒコーキの世界
ゲームからインターネットまで |
[Flight
Sim]●JET STREAM 2nd
Approach
アクアシステム DOS/V
PC-9821用CD-ROM 国産のフライトシミュレーター、『JET STREAM』の第2弾です。日本の35の空港を結んだフライトを体験でき、機種もボーイング777/767/747-400とエアバスA320、そしてFA200の5機種を操縦できます。 (97/06/21) 【☆☆☆・Tack】
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[書籍]●ステルス戦闘機スカンク・ワークスの秘密 |
[CD-ROM]
●TOPGUN FIGHTERS
FIRE WEAPONシリーズ Vol.1 『TOPGUN FIGHTERS』は、マルチメディア軍用機図鑑の新シリーズの第一弾です。軍事評論家の江畑謙介氏が監修をしています。 (97/06/08) 【☆☆・Tack】
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[CD-ROM]●エアラインパイロット入門 『エアライン・パイロット入門』は、名作のフライトシミュレーター「ATP」を題材に、飛行機のメカニズムや管制の仕組みを教えるマルチメディアCD-ROM版教習書です。 (97/05/17) 【☆☆☆・Tack】
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[書籍]●図解・エアパワー最前線 [上][下]
アンソニー・ソーンボロ・著 松崎豊一・監訳
原題"MODERN FIGHTER PILOT"('95)。現代の航空戦(対空/対地)を、解説した比較的読みやすい本です。訳はイマイチですが、それほどヒドくもない、という感じです。 |
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[CD-ROM] ●G-AREA
写真:徳永克彦 監修:中村浩美
『G-AREA』は、航空カメラマン徳永克彦氏と、航空/科学ジャーリスト中村浩美氏による軍用機写真集CD-ROMです。 (97/01/04) 【☆☆☆・Tack】
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[CD-ROM] ●インタラクティブ戦史 連合艦隊全記録1941-1945
中央公論社 標準小売価格9,800円 Windows3.1/95用 真珠湾攻撃から終戦までの、旧日本海軍連合艦隊の動きをトレースした、記録集CD-ROMです。 (97/01/01) 【☆☆☆・Tack】
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[CD-ROM]●自衛隊装備年鑑1997
朝雲新聞社 6,180円 (Windows3.1/95,Macハイブリッド版) 朝雲新聞社から例年発売されている「自衛隊装備年鑑」のCD-ROM版が初めて登場しました。防衛庁、自衛隊の全面協力による年鑑で、主要装備はもちろん、細かい装備品も網羅した資料です。装備品毎に、概要、スペック、写真が収録され、一部には動画や音声ナレーションも使われています。 (97/01/01) 【☆☆・Tack】
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[CD-ROM]●JASDEF FIGHTING WINGS 航空自衛隊データファイル
東芝EMI 5,800円 (Windows3.1/95,Macハイブリッド版) ビデオ「AIR BASE SERIES」で定評のある東芝EMIが発売した、空自の編成、基地、航空機を詳細に紹介する「空自事典」とも呼べる大作CD-ROMです。基地紹介は、マップから選ぶことができ、小規模の分駐地まで網羅されています。それぞれの基地には、ゲートやエプロンなどの写真、配備部隊や使用機材が記載され、ビデオ「AIR BASE SERIES」で取材した基地では、動画も収録されています。 機体データベースは、T-34からXF-2、E-767まで、研究機や引退した機種も含め、概要、スペックと写真、動画、コックピット解説などが含まれます。また、3面図の代わりに3Dコンピューター・グラフィックスが用意されている機種もあります。 上記の2つがメインですが、他に機種別の機数推移も見られる空自歴史年表や、各部隊のエンブレムや尾翼マーク、階級章/記念章の一覧など、興味深いデータも掲載されています。さらに、「スクランブル・シミュレーション」と称した、防空網とスクランブル出動のシステムをグラフィックスと動画で解説したコーナーもあります。 おまけのハセガワ空自プラモデル一覧と東芝EMI航空機関連ビデオ/LD紹介まで、丸ごと空自ネタ満載のこのCD-ROM、ビギナーからマニアまで楽しめる作品です。 (97/01/01) 【☆☆☆☆・Tack】
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[CD-ROM]●GO FAST! SKYDIVING 落下速度220キロの世界 写真
:宇都木 章 エクシング 2,800円 (Windows95専用)
「GO FAST!」は株式会社エクシングから出ている「マルチメディアCD-ROMシリーズ」の一つで、このシリーズ独特の、A4版32ページのカラー写真集+CD-ROMという構成になっています。カメラマン宇都木章氏による、スカイダイビングのシーンが121点収録されています。美しい写真ばかりで、スカイダイビングの魅力が伝わってきます。 このシリーズは、環境ビデオのような作りになっていて、PCにCD-ROMをセットすると、自動的に写真が再生され、BGMが演奏されるようになっています(一覧から選ぶこともできます)。全ての写真データは、ノートパソコンでもOKな640×480ドットから、超高解像度1280×1024ドットまで、5種類の解像度で収録されており、PCの解像度により自動的に適した解像度の写真が再生される親切設計です。 気に入った画像を簡単にWindowsの背景(壁紙)に取り込む機能や、このCD-ROMをスクリーンセイバーとして利用するモード、また写真をカラーでポストカードにプリントアウトすることも可能となっています。 とにかく、CD-ROMをセットして放っておけばいいので、ラクチンなソフトです。お店のディスプレイとかに使えるのではないでしょうか。 シリーズには、日本や海外の景色や動物、車など多数あるようです。詳しくは、同社のホームページを参照してください。 (97/01/01) 【☆☆☆・Tack】
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[CD-ROM] ●マルチメディア航空機図鑑 アスキー・マルチメディア図鑑シリーズ 4,800円
(Windows3.1/95,Macハイブリッド版) アスキーの「マルチメディア図鑑」シリーズに、航空図鑑が登場しました。 この作品の特長は、監修に鈴木真二氏、解説に西川渉氏、宮田豊昭氏と専門家を 揃え、グラフィックを見せるだけでなく図鑑としての内容に非常に力を入れてい ることです。 内容は、航空の歴史、飛行機の仕組み、古今東西の有名機図鑑の3つが主で 、写真、イラストが約800点、動画65本、解説はナレーションつきと、いずれも 大変充実した作りです。他に、フォトギャラリーと用語集もあります。 特に、仕組みのコーナーでは、多数のアニメーションが使われ、文章や写真 だけではわかりにくい飛行機メカの動きが効果的に表現されているのに加え、ゲ ーム感覚で楽しめる「体験モード」もあります。宙返りなどは結構難しいですよ 。 図鑑カードでは、ライト兄弟から777まで貴重な動画が多数登場。さらに多 くの機体に美しいカラーイラストが用意されているのがうれしいところです。500 機が国別、機種別に収録されており、アメリカ生まれのCD-ROMに比べて、当然な がら日本機がきちんと紹介されています。 カラー48ページのガイドブックも付属、図鑑として非常に完成度の高い作品 として、広くお薦めできます。 このアスキー「マルチメディア図鑑」シリーズには、動物タイトル、天文など多数が予定されています。 (97/01/01) 【☆☆☆☆☆・Tack】
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