2月16日。中部国際空港の開港を翌日に控えたその日は、長年にわたり中部地区の空の玄関を担ってきた名古屋空港の旅客便に終止符が打たれる日でもある。長く名古屋を撮り続けてきた者としては、最後の1機が飛び立つその時まで、1枚でも多くの写真を撮りたい、そんな気持ちでまだ暗いうちに空港へと向かうが、天気は無情にも雨。涙雨と思えば情緒もあるが、実際撮影のうえでは全然ありがたくない。
薄暗いうちに空港着。名古屋の定番ポイントである、R/W34のタキシーウェイ沿いに行くが、すでに路上駐車でいっぱい。後から聞いた話では夜中には来ていたそうである。
R/W34側のエアフロントオアシスへ行き駐車。ここはまだそれほど混んではいなかった。歩いて国際ターミナルへと向かう。どこに行ってもいつもより多くのカメラを手にした人を見かけるが、ターミナル内は特に最終日を感じさせるようなことはなかった。
ターミナル付近、タキシーウェイ沿い、エアフロントオアシスと移動しながら撮影する。エアフロントオアシスもだいぶ人が多くなってきた。望遠レンズを持ったマニアはもちろん、それ以上に一般の人が多い。ここは日曜日などは多くの人が訪れているが、平日の日中しかも雨降りにこれだけの人が集まることなどなかっただろう。
雨は強くなったり弱くなったり、午後からは曇りの天気予報に期待をかける。
その後さらに人は増え、歩道まで駐車の車でいっぱいだ。着陸機が通り過ぎるたびに歓声が上がる。今日初めて訪れた人もいるかもしれない。着陸機をバックに記念撮影する親子連れ、ひたすら望遠レンズで追いかけるマニア、携帯電話をかざすカップル。日が暮れ暗くなっても人は減らない。
さていよいよ大詰め、国際線ターミナルへ移動する。今まで撮影者を見かけたことのない、ターミナル北側タクシー駐車場脇まで人でいっぱいだ。
ここではスポットインを眼前で見ることができる。ジャンボ機のスポットインをこれだけ近くで見られるポイントなど他にあるだろうか。このシーンも今日で見納めなのだ。
チャーター便だろうか、駐機がいつもより多い。また普段ならオーバーナイトの機体も、新空港へ移動させるため慌ただしく離陸していく。出発機をグランドクルーが見送るのは普通だが、今日は事務関係者までもが見送っていた。そして、記念撮影する姿も。
21:10、名古屋空港国際線の最終便となるサイパン行きJALチャーター便が出発する。普通なら感慨にふけるところだが、新空港への移動便も数多くあり、はっきり言ってどれが
最終便だったのかよくわからない情けない状態だった。
ターミナルの出発ロビーに行ってみた。閑散としていて、カウンターにはすでに人はいず、あちらこちらで係員が記念撮影をしていた。
以前関空への移転に伴う伊丹空港の国際線ターミナル閉鎖の際に、マニアが押し寄せ記念品(になりそうなもの)を略奪しているシーンがあり、そんな事態を心配したが何事もなく安心した。
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| 夜10時だというのにこの人だかり! |
最後に移動する機体をとるためにR/W34側のタキシーウェイ沿いに行く。こんな光景を誰が想像しただろうか。
夜10時近くだというのに人でいっぱいなのだ!タキシーウェイには数珠つなぎに機体が並ぶ。
一方エプロンでは、地上支援機材や車両の移転作業が始まった。トーイングカーのトレーラーへの搭載など滅多に見られるものではない。その後これらのトレーラーや自走可能のタラップ車などが隊列を組んで新空港を目指すのだ。
やがて最後の機体となったKEの767が離陸していった。移転作業が続くエプロンにもう旅客機の姿は見えない。今後もJエアの運航は続けられるものの、747をはじめとする旅客機が翼を並べる姿はもう見られないのだ。
今、名古屋空港が一つの時代に幕を下ろした。