ホーム(H) 放熱レポート ご感想/ご投稿 ' 03/06/21  THE HORNETS'80 Web
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はじめに

                                      

 1997年に訪越し、その際に収集した航空機展示場情報をまとめて航空ファン誌1998年10月に発表から3年半が経とうとしている。この間にベトナム旅行の人気は高まり、多くの方が行かれるようになったが、こと航空機に関する情報はあまり耳にしない。

 このため、航空ファン誌に掲載した文のアップデートも充分に行えていないのだが、今後行かれる方への情報源として、当時の文章にほとんど手を加えないまま紹介しよう。

 ただし以下に紹介する情報には一般旅行者からの伝え聞いた話も多いため、断定表現が出来ない場所が多数あることを最初にお断りしておく。また本文中のベトナム語の表記は発音記号を全て省略し、アルファベットのみとした。これは僕が正確なベトナム語を現地で記録してこなかったことに起因する。どうかご容赦願いたい。

ホーチミン市内

 関西国際空港から約6時間でベトナム最大の都市ホーチミンに到着だ。市中心部の比較的狭いエリアに4カ所、タンソンニャット空港近くに3ケ所の航空機マニア必見の場所がある。これらの展示機群のみを見て廻るなら、多少慌ただしいとはいえ一日で全てを見る事が充分に可能だ。
 市内は見物を兼ねて徒歩で移動するとして、空港方面へはバイクタクシー(オートバイの二人乗り)を使うと便利だ。市内から空港まで交渉次第で3万ドンから5万ドン程度(1万ドンで約100円)で行ける。タクシーなら7万ドンから10万ドン程度だ。

【ホーチミン作戦博物館(Bao Tang Chien Dich HCM)】 

写真1
ホーチミン作戦博物館に展示されている元イラン空軍の(?)F-5A。この機体の周りで遊んでいた人が主翼前縁で首だか頭だか切ったので注意!なんて話をどこかで聞いた。
 市内北東部にある動物園入口近くのLe Duan通り沿いにあり、通りからはセスナA-37B、F-5Aのほか、A-1と思われる機体の残骸が見える。
 ベトナム戦争当時には韓国、台湾、イランからF-5が集められて南ベトナム空軍に供与されていた。茶色系の迷彩塗装からこのF-5Aは元イラン空軍の機体と思われるが、塗装は熱帯の陽に焼かれて退色が著しい上に元々シリアルナンバーを削除して輸入されているので、正確な履歴調査はできない。
 A-37Bは腐食が進み、主翼が分断している。撤去されるのは時間の問題だろう。
そのほかSA-2ガイドラインや戦車、各種対空火器なども屋外展示されているが、保存状況はあまり良くない。館内には中越戦争中の資料が展示されているとのことだが、筆者は見学する時間が無く、確認していない。

・住所: 2 Le Duan
・開館時間: 8:00〜11:30、13:30〜16:30。月曜休館
・入場料: 無料

【統一会堂(Hoi Truong Thong Nhat)】 

統一会堂屋上のヘリポートに展示されているUH-1。旅行者の写真を見ると、時々位置や向きが変わっているようだ。
 ホーチミン作戦博物館からLe Duan通りを市内中心部方面へ1kmほど来たところが統一会堂(旧大統領官邸)である。広い前庭の一角にはサイゴン開放時に押し入った戦車とF-5A(01638)が展示されている。また屋上のヘリポートに迷彩のUH-1(68-15445)がある。ヘリポートは数年前まで一般開放されていたが、現在は閉鎖されているおかげで人を入れずにヘリコプタの写真を撮ることが可能となっている。ここを訪れる外国人観光客が多いためか、これらの展示機はきれいに塗り直されているが、塗色は嘘くさい。

・開館時間: 7:30〜10:30、13:30〜16:00。無休
・入場料: US 4$(4万ドン)

【革命博物館(Bao Tang Cach Mang)】 

 統一会堂から徒歩5分、1ブロック南東に離れた一角にあるコロニアル建築の立派な建物が革命博物館だ。Nam ky Khoi Nghia通りに面した前庭に銀塗装のF-5A(10271)とA-37(3724)があり、中庭にUH-1H(541)が展示されている。
10年ほど前(参考文献1)に比べて庭園の整備が良くなり、F-5とA-37は写真を撮り易くなっていたが、成長した樹木がUH-1を覆い隠してしまい、こちらの写真は絶望的。しかし機体の状況は比較的良好である。博物館の開館は午前8時からだが、庭園には7時過ぎから入って写真を撮ることができる。

・住所: 65 Ly Tu Trong
・開館時間: 8:00〜11:30、13:30〜16:30。月曜休館
・入場料: 1万ドン(館内に入らなければ無料)
革命博物館のA-37BとF-5A 革命博物館のF-5を反対側から撮影

【戦争証跡博物館(Bao Tang Chung Tich Chien Tranh)】 

 統一会堂正門から革命博物館とは反対方向(すなわち北西の方角)へ1ブロック行ったところにあるが、入り口は少々分かりづらいので注意が必要だ。かつてはアメリカ戦争犯罪博物館(Nha Thung Bay Toi Ac Chien Tranh Xam Luoc)と呼ばれていたが、アメリカ人観光客の増加に配慮して名称を変更した。一般には枯れ葉剤の影響による二重胎児の標本が展示されていることで有名な博物館だ。
 展示機はA-37B(01285/09)、F-5A(69ー170)、UH-1(S/N?)、U-17(759)の4機。
 F-5Aは近年搬入された模様で、塗装や記載されたシリアルナンバーは本物とは思えない。UH-1のシリアルは15121(参考文献4)とのことだが、すでに塗装の剥離が著しく現物を見ても分からない。この両機種は狭い通路に極めて密接して展示されているので全景を撮る事は困難だ。
 ほかにも各種の戦車や火砲/火器、爆弾等の資料的価値のある展示物が多くあるが、英語による説明が極めて貧弱である。
 なお僕の訪問後に訪れた方より、展示機としてダークグリーン塗装のA-1H(39674)が加わったとの情報を戴いている。

・住所: 28 Vo Van Tan
・開館時間: 7:30〜11:45、13:30〜16:45。月曜休館
・入場料: 7000ドン(機体など屋外展示物を見るだけなら無料)

戦争証跡博物館のA-37B。「比較的程度が良い」とはいえ、客観的にみてボロボロ状態… 同じく戦争証跡博物館に展示されているU-17


タンソンニャット空港とその周辺

 空港ターミナルからエプロンの撮影は禁止されているため機窓からの確認だが、訪れた時には空港の一角に数機のC-123、CH-47、C-119、C-130などが放置されていた。空港に駐留する軍用機はヘリコプタのみの模様で、迷彩色のMi-8を数機とオレンジ色の帯を巻いたSAR用の機体を2機確認した。
 またベトナム航空でお役御免となった10数機のAn-26やDC-3、Yak-52が空港内の各所に見えた。
 空港を一歩出るとタクシーの客引きが激しいが、近くの博物館に行くので有れば断固たる決意を持って、彼らを振り切り歩きだそう。

【(仮称)タンソンニャット博物館(Bao Tang Khong Quan Phia Nam)】


 空港から大通り(Dailo Truon Son)を400mほど歩くとボーリング場がある。この脇の小道を空港方面に入り、空港に沿って数分歩くと博物館だ。ホアン・ヴァン・トゥ公園(Cong Vien Hoang Van Thu)からテニスコート(CLB Khong Quan)に向かって真っ直ぐに行く道もあり、やはり歩いて数分で行ける。
 ここには13個のキルマークのついたMig-21PFM(4326)を始め、Mi-24(7430)、Mi-8T(7812)、F-5A(7579)、A-37B(0475)、UH-1H(0372)、U-17A(764)と一通りの機体が揃っている。旧ソ連のヘリコプターは展示条件が悪く、24ミリレンズでも真横の撮影は困難だ。また、いくつかの機体は茂った樹木に半分覆われているような状態だった。
 入場料は不要、開館時間も何も分からないが軍の管理下にある様子で頼むと入れてくれる。
 ただし、このエリアは人通りが少なくガイドブックによっては「危険地域」に挙げられているので、行かれる方は充分に気をつけていただきたい。実際に僕は撮影中に近寄ってきた軍人(入場を許可した軍人とは違う)に5万ドンをたかられてしまった。なおベトナムではSLも健在であるが、駅周辺で写真を撮っていると「撮影料金」を請求されることもあると聞く。こちらもご注意あれ。

【名称不明の博物館(Bao Tang Luc Lu*** Vu Trung Mien Dong Nam Bu )】

(***の三文字不明)

名称不明の博物館に放置、いや「展示」されていたエンジン二基とクラスター爆弾の殻やら爆弾(中味を抜いたもの)。ベトナム語の説明すらなかった
 ホアン・ヴァン・トゥ公園からホアン・ヴァン・トゥ通りを渡った所に博物館らしきものがあり、通りに面した入り口近くに戦車が一台飾ってある。
 裏手に回るとさらに二台の戦車と数門の火砲類、ひしゃげた二基のジェットエンジンが転がっている。説明板等は無く、「展示」とは言い難い状況だ。
 その後の調査でもこの建物の素性は不明なのだが、その存在のみをここに紹介しておく。もし、この建物に関する情報をお持ちの方がおられましたら、どうかご一報お願いいたします。

【タンソンニャット基地(?)】

 ホアン・ヴァン・トゥ公園からCon Hoa通りを西へ1.5kmほど行った空港側に基地らしきものがあり、道路に面した庭先にSA-2ガイドラインやレーダー、トラック等が展示されている。良く見ると樹木の根元には撃墜された数機分の機体の残骸もあるが、同時に「撮影禁止」の立て札も眼に飛び込んでくる。
 市内からアンスーン(An Suong)へ行く路線バスや後述するク・チ・トンネル行きのツアーバスは、この基地の前を通過するので注意して見ていただきたい。

ホーチミン市郊外と南部地域

 ホーチミン市郊外や周辺の街にも航空機が展示されている場所がいくつかある。
簡単に紹介しよう。

【ク・チ村のUH-1】

 ホーチミン市の北方70kmあたりに解放戦線が作ったトンネル(地下作戦室)がある。これを見学するツアーに参加すると、トンネル近くの博物館に展示されたUH-1(16837)を見ることができるそうだ。僕はこれを見たいがためにツアーに参加したものものの、肝心なところで居眠りしてしまい確認には至らなかった。ツアーは民間業者の催すUS4$の格安なものから大型エアコン付き観光バスを使ったUS50$程度のものまで各種ある。

【国際展示場(Quang Trung Exibition Center)】

 ホーチミン市中心部から北方へ約20km(直線距離にして10数km)にあるこの場所にMiG-17, MiG-17F, MiG-21PF(6173), Mi-4, C-47があるという情報(参考文献4)を元に行ってみたのだが、残念ながら展示機は見あたらなかった。売店の主人に尋ねて見たが、この周辺には機体は無いとのこと。
 国際展示場へは市内から市バスで終点のアンスーンまで行き(5000ドン)、そこからバイクタクシーを拾って数分で行ける。

【ビエンホア博物館】

 ビエンホア基地の近くに博物館があり、MiG-21PFM(5144)、UH-1(15780)、CH-47(025/TN-42)が展示されている。ビエンホアはホーチミン市の東約30km、ミエンドンバスターミナルから乗合バスに揺られて1時間ほどの距離だが、僕は暴風雨に見舞われ、現地近くまで行きながらたどり着く事ができなかった。

【ミトの軍事博物館】

 ミト(My Tho)はホーチミン市の南西70km、バスで約2時間の距離にある小都市だ。市街に入る前の国道1号線沿いに軍事博物館があり(参考文献1)、A-37(69-6353)、F-5(67-21150)、UH-1(68-16408)が展示されていたが、現在の様子は不明だ。観光ガイドブックに載っていないので、現地でバイクタクシーを使って調べるのが良さそうだ。

【ミト市内の仏教寺院】

 同じくミト市の仏教寺院の裏手に10年前にはセスナO-1(686)が放置されていた。
正確な場所が不明な上に、現存するかどうかは不明。

【ヴィンロン戦争博物館(Bao Tang Vinh Long)】

 町に96年にオープンした博物館があり、戦闘機と戦車が展示されているとのこと。機種等は未確認だ。ホーチミン市の南西140kmにあり、市内のチョロンバスターミナルまたはミエンタイバスターミナルから約4時間かかる。ミトからは1時間半、カントーからは約2時間で行ける。

【カントーのホーチミン博物館】

 町の中心部にあるホーチミン博物館にヘリコプターが展示されているというが、軍事博物館も近くにあるとのことで、こちらと混同している可能性がある。
ホーチミン市の南西170km、ミエンタイバスターミナルから約5時間だ。

<ホーチミン博物館(Bao tang Ho Chi Minh)>
・住所 6 Dai Lo Hoa Binh
・Tel. 822173
・入場料 無料。
・開館時間 火、木、金は8:00-11:00、14:00-17:00
  土、日、祝は8:00-11:00、19:00-22:00
  月、水は休館

ベトナム中部地域の展示機

 僕はベトナム中部に行っていないが、調査の結果、判明した航空機の展示場所を記しておこう。

【トゥア・ティエン・フエ省博物館(Bao tang tong Hop Thua Thien Hue)】

 ベトナム中部の古都フエで、かつては「フエ兵器展示場」と言われていた場所だ。現在は整備された博物館となっている。Mig-17(0556?)やSA-2が展示されている。

・開館時間:7:00-11:30、13:30ー17:00、日曜休館
・入場料: 15000ドン

【ダ・ナンのホーチミン博物館(Bao tang Ho Chi Minh)】

 ベトナム中部の都市ダ・ナン(Da Nang)市南部にあるホーチミン博物館にはA-37B(71-00793)、HU-1B(541/69-15780?)、U-17A(63-13042)や各種の火器が展示されている。

・住所: 1 Duy Tan
・開館時間:7:00-11:30、13:00ー17:00、月曜休館
・入場料: 2万ドン

【ダ・ナン空港】

 ダ・ナン空港入り口付近にF-5A(7579), Mig-17(J-5)(2011), Mig-21PFM(6122), Mig-19(J-6)(6058), A-37B(0475), HU-1H(390)があるそうだが詳細は不明。

【ニャチャン空港(Nha Trahg)】

 ホーチミン市の北東約400kmのビーチリゾート、ニャチャンの空港/基地にL-29(744)やMig-21(4123)などが展示されているという。これも詳細不明。

ハノイ

 ハノイのノイバイ国際空港は田圃の真ん中にあり、機内から見る限りは周囲に柵も無く、撮り放題。だが相手方からも良く見える上、恐らくは撮影禁止の軍事施設なので事実上の撮影は不可能だろう。
 ターミナルから滑走路を見て、左側(RW11に入る直前)にMiG-21の列線が並ぶが、市内ではこれらの機体の音は全く聞こえない。右手には旅客機が数機、放置され、朽ち始めている。
 空港からタクシーを飛ばして30分、ベトナムの首都ハノイはホーチミン市と比べると静かな田舎の町だ。しかし、ここには意外に多くの機体が展示されているのだ。

【ハノイ軍事博物館(Bao tang Quan doi)】

 ゲートのすぐ左側に14個のキルマークの描かれたアトール付きのMig-21PF(4324)が展示されている。筆者の知る限りではベトナム国内で唯一グレーに塗られた機体だ。中庭には撃墜されたB-52G、 L-27A、 C-47B、 F-111A(67-068)、F-105D(61-051)、J-6(1018)などの残骸が山と積まれているが、シリアルナンバーを完全に判読できるものは皆無に近い。よほどの「部品通」でなければ、これらの残骸から元の機体を推定する事は不可能だろう。この博物館はガイドブックに必ず記載されているので参照して欲しい。

・住所: 28A Dien Bien Phu
・開館時間: 8:00-11:30、13:30ー16:30、月曜休館。
・入場料:1万ドン(カメラ持ち込み2000ドン)
ハノイ軍事博物館に展示されているMiG-21を二階のテラスから撮影 ハノイ軍事博物館の中庭にあるSA2と撃墜機のモニュメント

【(仮称)防空博物館(Bao Tang Phong Khong)】

 場所はハノイ駅の南南西約2.5km。駅から道沿いに約2km南に行き、バクマイ国際病院を過ぎた所で踏切を渡り、Duong Truong Chinh通りを西に行く。500mほど行った左手がこの博物館だ。
 ここにはMig-21PF(4326)と比較的全体の形状を残したF-4Bの残骸が展示されている。F-4Bは水平尾翼直前の胴体に描かれている「VF-114」とBu.Noの下4桁である「3001」というナンバーから、この機体(NH201/153001)は1967年5月14日に自分の射ったズーニ・ロケットで「撃墜」されたという、いわくつきのものであることが分かる。
 なおレーニン公園にBu.No.3008の残骸が展示されていたという資料もあるが(参考文献3)、恐らく本機のことであり、発見者は1と8の塗り分けを見間違えたのであろう。
 そのほかSA-2ガイドラインやトラック、レーダー等もいくつか展示されていた。
 この博物館の詳細を知るべく、ゲートの軍人に尋ねてみたが彼は英語を全く理解せず、また僕自身もベトナム語を理解できずに終わった。したがって開館時間等は一切不明である。

【(仮称)ハノイ航空博物館(Bao Tang Quan Chung Khong Quan)】

 前述の防空博物館を眺め、さらに1.5kmほど行った左側にある。通りに面した入り口からはMig-21が2機見える。
 博物館内には撃墜された米軍機の破片や、戦争当時の装備、Mig-21の機首部分などが展示されている。屋外展示機は次の通り;
 Mig-21MF(5121), Mig-21PFM(5020), J-6(中国製Mig-19)(6058), L-29 Delfin(743), An-2(02103), U-17A(764), A-37B(0475), F-5A(7579), Zlin Z-226(101),
TL-1(01), Ka-25BSh, Mi-4(1510), Mi-6(7609), Mi-24(7430), Mig-17(2011),
Mig-17F(2047)。なお数年前にはベトナム製軽飛行機HL-1も展示されていたが、今は台座を残しているだけで、機体は影も形もない。

・開館時間:7:30ー11:00、13:30ー17:00。月曜、水曜は休館の模様。
・博物館入場料:5000ドン(外国人料金)。

【レーニン公園】

 ハノイ市のレーニン公園(バイマイ湖の北西部付近)にB-52(6???05)の残骸とMig-21bis(5236)が展示されていたことは多くのガイドブックに記載されている。しかし97年夏に訪れた際には、公園整備のためにB-52の残骸は公園の片隅に山積みに片づけられ、Mig-21は何処かへ撤去されて台座が残るのみであった。このMig-21はホーチミン廟の近くに移されたという話しとスクラップにされたという話を聞いたが、どちらが本当であるかは分からない。最近のガイドブックを眺めても、戦闘機の話は出てこないので、恐らくスクラップになってしまったのだろう。

ハノイ周辺

【バクマイ基地】 

 戦争中の偵察写真などから、現在はGiap Batバスターミナルから1kmほど南にあると推定して行ってみたが、その辺りには貯水池があるだけで飛行場などの航空施設は確認できなかった。基地の反対側付近は家が密集しており、これまた場所が特定できずに終わった。

【ザーラム(ジアラム)基地】 

 Giap Batバスターミナルから市内を通過し、Gia Lamバスターミナルまで行くバスが頻繁にある。Gia Lamバスターミナルからはバイクタクシーにまたがり、5分で基地ゲートに行くことができる。ゲート周辺は塀に囲まれた袋小路でゲートから先は厚い鉄の扉に遮られて中は見えない。

【ハイフォン市立博物館】 

ハイフォン市立博物館の裏庭に展示されているMiG-17
 ハノイから列車に乗り、2時間半ほどで機雷封鎖で有名な港町ハイフォンに着く。近くにはハイフォン空港/基地があり、日中は上空をうるさいほどにMig-21が飛んでいた。街の中心を走るDien Bien Phu通り沿いに市立博物館があり、裏庭にMig-17が展示されている。いや、「放置」といったほうが正しいような状態であり、胴体下のキリル文字がかろうじて読めたがナンバーは完全に消えていた。
 また機体の周囲には形式不明のジェットエンジンの残骸が2基とA-6の右主翼が転がっているが、解説板などは一切無い。
 市立博物館の開館はガイドブックによれば木(14:00-1600)、土(19:30-21:00)、
日(8:00-11:00)、祝日(14:00ー16:00)なのだが、現地での確認はできなかった。
 この近くには海軍博物館もあり、敷地内には小型船舶、対艦ミサイル、各種大砲などが展示されていた。この博物館の開館は土、日のみで時間は8:00-16:00(11:00-14:00休館)とのこと。

この機体を後ろから見たところ。隣にA-6の主翼が転がっている ハノイの防空博物館(仮称)に展示されているF-4B。VF-114/3001と読める。この写真は近くのバイクショップの陰から撮影した

おわりに

 ベトナム戦争終結から25年余りが過ぎた。記念碑的に残された戦争当時の戦闘機や戦車などの遺物は熱帯の太陽と高い湿度の下で次々と朽ち果て、姿を消しつつあるのではないだろうか?これらの記録を残しておかなければ・・・。
 そんな焦りを胸に抱いていた僕はようやく97年夏に訪越する機会を得て、いくつかの博物館を訪問することができた。しかし訪越前の予想通り、ベトナム戦争時代の遺物の多くは痛みが激しく、廃棄されてしまうのも時間の問題と考えられた。したがって、これらに興味のある方は早めに現地を訪問することをお薦めする。
ベトナムでは観光収入を当て込んだ博物館の建設や整備が各地で進んでおり、今後も新たな航空機展示が行われることが期待される。今回記載した場所のほか、数カ所に展示機があることが伝えられているが、紹介に値するほど充分な情報が無いため、本稿での紹介は控えさせていただく。
 最後に執筆にあたり、展示機の機種確認をしていただきましたNifty-serve、FAEROA軍用機会議室の皆様、貴重な資料をご紹介いただきました石川潤一様に御礼申し上げます。

【参考文献】 

(1)「VIETNAM WAR MEMORIALS IN SOUTH」Air Combat No.7 1989、文林堂
(2)「Tonkin Gulf Yacht Club, US Carrier Operations off Vietnam」
  by R.J. Francllon, NAVAL INSTITUTE PRESS(1988)
(3)「British Aviation Review」 1997.3.
(4)AIRCRAFT MUSEUMS AND COLLECTIONS OF THE WORLD, Vol.1 Asia
  by Bob Ogden
(5)Bob Ogden氏私信
(6)KF連載A.J.Walg氏のレポート('92.10 p187、'92.11、'92.12 p127,
  '93.4 p64-67。ただし同一の機体であっても掲載号により本文に記載されたS/Nが異なることがあるので調査の際には注意が必要だ。)

以上

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